このブログは私が45歳の時、南山中高等学校(男子部)で中学2年生の英語を担当していたときに発行していた「日英バイリンガル通信」の復刻版です。第1号(1988年)から1992年の第36号(1992年)まで発行しました。生徒は高3まで持ち上がりました。学年が進級するにつれ、英語の語彙と文法のレベルが上がっています。教えた文法の制限内で中身のある英語を書くのには苦労しましたが、案外おもしろかったことを覚えています。各通信のイラストはブログ用に後からつけたものです。2010年3月19日記す。67歳 (残念ながら第7号が紛失したらしく見当たりません。教え子の誰か、まだ保管していたら教えてください。)
2010年6月27日日曜日
[24] 猫岳の猫屋敷(2) A CATS' HOUSE IN NEKO-DAKE ( 2 )
南山高等学校 2年 日英バイリンガル通信 NO. 24 May 26, 1991
猫岳の猫屋敷(2)
すると別の女にばったり出くわした。女は「横田さんじゃないですか。どうしてまたこんなところに」と尋ねました。男は「はて、どちらさまでしたか」と答えると、女は「私を覚えていないのですか。三年前の雨の日、旦那さんは溝でおぼれている猫を助けなはったでしょう。私はその時の猫ですたい。今度は私が旦那さんを助ける番です。ここは猫屋敷で、人間が来るところではないですばい。ここの風呂に入ったら最後、身体中に毛が生えて、猫になってしまいますよ。急いで逃げて下さい」と言った。
男はびっくり仰天、一目散に逃げ出した。うしろで、「男が逃げたよ。追っかけて、お湯をひっかけておやり!」という声がした。三人の女がひしゃくと湯桶を持って追いかけて来て、お湯を男にひっかけた。男はこけつ、まろびつ、つまずきつ、必死に逃げた。
やっとのことで、宮地の町にたどり着いて、身体を調べてみた。なんと耳のうしろと腕と足のすねに、もう猫の毛が生えておった。
その後、横田さんは猫田さんと呼ばれるようになったそうな。
A CATS' HOUSE IN NEKO-DAKE ( 2 )
Soon he came across another woman, who said, “Why, aren’t you Mr. Yokota? What has brought you here? He said that he did not recognize her. “Don’t you remember me?” she continued. “Three years ago on a rainy day, you saved a drowning cat in a ditch. I am the cat. Now this is my turn to save you. This is a place for cats and not for human beings. Don’t take the bath. If you take it, cat’s hair will grow all over your body. You will turn into a cat. You must run away in a hurry.”
Frightened, he rushed out of the house, and ran with all his might. He heard a woman’s voice behind: “The man has run away. Run after him. Throw the hot water on him!” Three women came running after him, each with a dipper in her hand and a pail in her arm. He ran desperately, stumbling and falling and rolling.
At last she reached the town of Miyaji, and examined his body. To his surprise, some cat’s hair had already grown behind his ears and on his arms and legs.
Later people began to call him Nekoda, meaning “You are a cat” instead of Yokota.
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